「誓いも兼ねて、さ」
今あいつは、あいつが片想いしてた奴から告白されてるらしい。
いっこ下の、新名ってやつから。
教会の開いた扉から見えたのは、あいつとその新名がキスしている所で。
ステンドグラスがやけにキラキラ光っていて。
それは、あまりにも俺とは違う世界だった。
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West Beachに向けてバイクを走らせる。
沈みかけた太陽の光に反射して光る海面が、いつも見ているはずなのに、今日は一段と輝いて見えて。
陽を受けながら凪いでる海は、やっぱり綺麗で。
でもやっぱり一番輝いていたのは、綺麗だったのは、あいつだと思う。
いつもニコニコ昔と変わらない笑顔で。
素直で真っ直ぐで優しくて温かくてさ。
―あいつが幸せならそれでいい
でも、心がチクリと痛むのは何故なんだろうな。
でもこれでよかった。
俺はちゃんと応援してやれたと思う。
あいつは素直だから。
ま、俺が言う事をなんでもかんでも信じちゃう時は、正直困ったけど、結局あいつはハッピーエンドになれたわけだし?
あーあ。
俺ってやっさしー……なんてね
俺は幸せになっちゃいけないんだ
もし、もしだけど
応援してる時、俺があいつと幸せになる事を選んでいたら、今…新名を不幸にしていた所だろ?
俺が幸せになる事で、誰かが不幸せになるなんて考えただけでも…さ
うん、俺には出来ねぇよ
―…そんな事、
サクラソウは、心に思い描いた人の所へ連れていってくれただろ?
信じたから、あいつはあそこに居てくれた。
ね、
信じて、よかっただろ?
だからさ、幸せになれよ
サヨナラ、妖精ノ鍵
(俺にはもう必要ないよ)
だって、お前とまた逢えた事が、俺の願いだったから