lion's lovely cat

□party
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するとユエとシリウスが入ってきた扉からブワッと紅い華が降り注いだ。


『真っ赤な燃えるような花びらは私の家紋そのもの…
琥珀色のたてがみに紅い疾風、なんと勇ましく美しいのか…』


ユエはニッコリ笑うとシリウスにエスコートしてもらいながら夫人の元まで行った。



『こんばんは、お義母様…』

「…」

「こんばんは。あなたたち何を考えているの!」


まだあなたたち2人は婚約発表してないのよ、とでも言うかのように睨み付けてきた。


「俺は婚約発表なんかしたくない。」

「なにを…!!!!」

『私もよ。シリウスはあなたの道具ではない。』


婚約なんかしなくとも私たちは愛し合ってるもの、まあ愛してるなんて言ってやらないけど。


「シリウスさんは育てられた恩を忘れたの!!??」


育てられた恩?
親は子どもを育てる義務があるに決まってるだろ?


ユエは隠し持っている杖に手を伸ばすとギュッと我慢しながらまた顔を上げた。



ユエははんば呆れたように睨み付けると言った。


『シリウス、悪いけど少し席を外して。』

「は!!??」

『外しなさい。』

ユエの命令に渋々従うと人に紛れて行った。



「ユエさん、なんの真似を?」

『ええ。お義母様…シリウスを譲って頂けない?』


ユエは不敵に笑うといつの間にか手にはグリンゴッツの金庫3つ分くらいの金額の小切手があった。


ブラック家の金庫なんて目ではない。とでも言うかのような金額だ。


「シリウスさんを喜んであげるわ。」


お義母様は顔を笑みで歪ませながら小切手を受け取った。


人身売買みたいでユエは気に食わなかったが仕方がない。

シリウスをこの人から解放させるには…



『シリウス?』

ユエが呼ぶとどこからともなく現れた。


「何話た?」

『今日からあなたはこの屋敷で住む。』

「は?」


シリウスはわけがわならないと言ったように目を丸くした。













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