ガロファノの花弁

□嫌い嫌い嫌い、好き。
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病で持って生まれた白い髪と赤い目が嫌いだ。赤い目はまともに光を見ることは叶わないし、白い髪の所為で子供の時は馬鹿にされた。プライドが侮辱を極端に嫌った。外も年中分厚いコートを羽織るなりしていなければ出歩けなかった。

そんな中、どちらも軍に服務していた為に厳しかった両親にD機関に入る事を薦められた。1番の理由は国の、世界の為に命をなげうつ事は軍人として名誉であり、お前もそうであるべきだという理由。2番目は、強くなり高みを目指せば誰もお前を馬鹿にはしないという親の心配めいた理由だ。

1番目はともかく、2番目は俺を動かすにあたって十分な理由だった。訓練は首席として最短で終わり、13歳で正式入隊した。エリートだとか七光りだとか、そんな周囲の言葉は気にせず、俺は突き進んだ。

そんな時、俺は珍しく賞賛や皮肉以外の言葉を聞いた。

「お前、綺麗な髪してるよな〜目も赤くてウサギみたいだぜ?きまってんな」

よりにもよって、コンプレックスの外見についてだった。普段なら憤慨した所だったが、奴の視線が珍しい物を見るというより、純粋に綺麗な物を見たときの感想じみていたのだ。

それが、数日後の俺の指導員。未来の上司。エリオットとの初めての出会いだった。



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