あびす部屋

□何処でも君を想い続ける
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僕は、今
地殻に墜ちている。


こんな時でも
あんたの事を考えてるよ。


なぜだろうね。
あんたは当然のように
僕の隣にいるものだと
思っていたんだ。


ずっと、隣で変わらない笑顔を
向けていてくれるものだと。





「シンク、
行って来るです。」



彼女から僕に放たれた
最期の一言。



きっと僕は、その言葉を聞いた時、この世でもう二度と
あんたに逢えなくなるという事を心のどこかで感じていたのだと思う。



あの日、



「シンク。
アリエッタは戦ってくるです。」



あんたは
いつものように
にっこり笑って、
僕から離れて行こうとしたけど、
僕は何故か行って欲しくなくて
腕を掴んで引き留めてしまった。



行かないで。



喉まで出かかっていた言葉を
必死に飲み込んで、
飲み込んだ途端
なんだか無性に泣きたくなって、
涙を堪えるのに必死で
あんたに何も言えなかった。



「シンク?」



あんたの声で我に還って
必死に言葉を探したよ。




「....帰ってきてよ..」



「はい。
シンク、行って来るです。」



その時の僕は
泣きそうな顔だったと思う。




あの時、
あんたが
いなくなると知っていたら
掴んでいた腕を離さなかったよ。


行くなと強く引き留めていたら
今も あんたは僕の隣で
笑ってくれてたのかな。





後日、
あの戦いであんたは死んだと
ヴァンから聞いた。



もう、あんたは
僕の隣にいてくれないのだと
知って、
悲しいやら後悔やらで
心が埋めつくされて
岩石をぶつけられたような痛み。



あんたはもういないのに
気付いたら僕はあんたを
探しててさ.....。


逢いたい。

逢いたくて仕方ない。



まだ
あんたに伝えてない事が
たくさんあったんだ。

あんたを連れて行きたい所も
あんたに知って欲しい事もたくさん、たくさんあったんだ。






もし...もしあの時
あんたがいなくなるのが
運命だったとしても、
今、言いたい事があるんだ。

戻りたい...
あの日に戻りたい。

もう一度あんたに逢えるなら
僕は何もいらないから。




お願い..逢わせて...



















あんたがいなくなってから
ずっと願っていたその願い。

今やっと叶いそうだよ。

アリエッタ...
僕もそっちに行くよ。




地核に堕ちていくのに
凄く幸せな気分なんだ。


あんたのいない
この冷え切った世界に
未練なんてない。




ねぇ、アリエッタ
そっちで逢ったらさ、
今度こそ離れて行かないでよね。














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アリエッタの死後。
シンクが地核に墜ちる時に
こんな風に考えてれば
いいな、と。


私の大好きな曲を
聞いていたら
思い付きました。

あ、この曲は
この2人だ。と。

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