shortstory 小説
□存在価値
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忍足の告白から数週間が過ぎた。
あの後も忍足は私の目の前には現れた。
「おはようさん蛍ちゃん。」
「おはよ。」
でもまぁ、告白される前と関係はあまり変わってはないけど態度は少しは変わったって思う。
「蛍ちゃん今日ヒマか?」
「何で?」
「今日、部活が休みやから放課後一緒に過ごしたいんや。」
「別に予定はないけど?」
「蛍ちゃんはどっか行きたい所あるか?」
突然行きたい所と言われても全然思いつかな……。
「あ。」
「あるんか?」
「買い物したい…かも。」
「ほな放課後一緒に行こか?」
忍足は約束やでって言って私の目の前から去って行った。
忍足と別れてからの時間は遅く感じた。
毎日退屈な授業がさらに退屈で仕方なかった。
***
それからやっと放課後になった。
忍足はチャイムが鳴るなり、すぐさま私を迎えに来た。
「ほな行こか?」
「あ、うん…。」
忍足は私の手を繋いで一緒に学校を出た。
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