shortstory 小説
□私の支配者
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「仁王先輩…痛いです。」
「我慢しんしゃい。あー気持ちいいのぉ。」
勘違いしていたらごめんなさい。
別にピーな事はしてません。
私は今、仁王先輩にイジメられてます。
何故かって?…わかりません。
今は、テニス部の部室で左のほっぺを抓られてます。
「仁王先輩、そろそろ離してくれませんか?」
「嫌じゃ。」
そう言ってプニプニとまだ触ってくる。
…いい加減止めてほしい。
「仁王先輩、また蛍の事イジメてんっスか?」
「あ、赤也〜。助けてよ。」
救世主とも呼べる同じ学年の赤也がタイミングよく現れた。
悪魔の赤也が今日は一段と天使に見える。
「邪魔者が来ちゃったのぉ。」
「部活だから仕方ないじゃなっスか。」
「ほら部活の時間が始まりますから、本当にそろそろ離してください。」
「えー。」
「『えー。』じゃないです。」
「そんなに蛍のほっぺって気持ちいいんっスか?」
「最高じゃよ。この滑らかな肌に、程よい弾力感。そして何より、蛍を支配してるような気分になるんじゃ。」
「へぇ〜。俺も触っていいっスか!」
えっ!?
赤也、さっきの救世主的なのは偽りだったのか!?
否、私が勝手にそう思っただけか…。
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