読み切り
□かまってよ…。2
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僕は、また一人で公園のブランコに乗っていた。
昨日出会ったあの人のことを考えながら。
また出会えないかと願いながら…。
キィーコ、キィーコ
「…帰りたくないな。…どうせ、居ても居なくても一緒だし」
「そんな事はないんじゃないかな」
「えっ?」
僕は、すごい速さで振り向いた。
と、同時に速く振り向きすぎたせいで体制を崩してブランコから落ちてしっまた。
「うわぁ!!」
「危ない!!」
ギィーコ、ギィーコ
男の人のおかげで僕は落ちずに済んだ。
そのひょうしに僕は、その男の人に後ろから抱きつかれているという男性同士では少し危ない構図になってしまった。
「えっ…と、あの…もう大丈夫です」
「あっ!ごめんね」
「………」
「………」
どうしよう。この沈黙、気まずいな。
…帰ろう。
「あの、僕帰ります」
「ちょっと待って」
不意に手をおもいっきり掴まれた。
「痛っ」
「あっ、ごめん」
男の人は、手をゆっくり放した。
「大丈夫?…少し話がしたいんだ。いいかな?」
「話…ですか?」
「そんなに、長くはならないと思うんだけどいいかな?」
「いい…ですよ。家に帰ってもする事無いですから」
どうせ帰っても帰らなくても、僕はいないのと同じだから…。
誰からも、愛してもらえてないのだから…。