ツンデレな生徒の手懐け方

□生徒と同棲
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早まったかもしれない、自分の生徒と…同居なんて…

「先生の家って結構広いんだね」
「結構ってなんだよ」
「意外だなと思っただけだよ」
「お前なあ…」
「名前あるって…言ってるでしょ」
「んっ?あっああ、悠弥…」
えっ?今、少し笑った?それにこいつ妙に名前に反応するな。
「なあ、悠弥」
「なに?」
やっぱり少し、ほんのわずかだけど嬉しそうだし、反応がいい。
「なんでそんなに名前呼ばれて嬉しそうなんだ?」
「えっ!?」
恥ずかしそうな顔をしたかと思うと、次は悲しそうな顔になった。
「どうした?」
「…呼ばれてなかったから」
「呼ばれてないって…親にか!!」
「…うんっ…親から名前呼ばれた記憶ないから」
「呼ばれてないって…よし!!」
「なに?」
「今日からは俺がお前…じゃなかった、悠弥の名前毎日呼んでやる!!」
「何言ってんの…莫迦じゃないの」
「嬉しいくせに、素直になれよ!悠弥」
「五月蝿い」
「五月蝿いってなんだよ!!あっ!そうだ悠弥。さっき名前のこと聞いた時嬉しそうな顔してたよな?なんでだ?」
「別にどうだっていいでしょ…」
「悠弥」
「…うっ嬉しかった…先生に…名前…呼ばれて…」
なっ!?かっ可愛い!!ってダメだろ!!生徒相手にいや、生徒ととして可愛いならいいけど、多分これは…違う。いつもと違う反応するから、こういうのをツンデレっていうだっけ?やばい、こんな状態で同居するなんて…危ない。

「先生」
「うおっ!!なっななななななんだ?」
「ちゃんと…訊いてた?」
「あっああ!訊いたぞちゃんと!!」
「さっきから、おかしいよ」
悠弥は貴之の手を掴んだ。
「うおっわ!!なっなななななんでもない!!」
あまり力を入れたつもりはなかったが小さな体を倒すには十分だった。
「いたっ!」
「あっ…わっ悪い大丈夫か?」
「ごめんなさっ…あっ…」
悠弥は悪くなかった。謝る必要なんてないのに…いや、あれはあきらかに反射的なものだった。まさか…
「悠弥、お前親に虐待されてなかったか?」
「…っ」
「悠弥言ってみろ」
首を少し縦に振った。
「やっぱり…悠弥、脱げ」
なんで気付かなかったんだ!!あきらかにおかしいだろ、夏に長袖なんて!!
「ちょ…やめてってば!っ…せんせっ!」
「…あっ…ごめん」
俺は…何してるんだ…これじゃあ、悠弥の親と同じじやないか…
「悠弥…ごめん、見られたくないよな…無理矢理したらダメだって…分かってたはず…なんだけどな…ごめん」
「先生は悪くないよ…」
悠弥は服を脱いだ。
「悠弥!?」
「吃驚しただけだから…」
「嫌じゃないのか?見られて」
「先生には見ておいてほしい…」
「分かった」
悠弥は背中を向けた。
貴之は悠弥のキズを見た。随分と古いものから家を出て行く前日ぐらいまでに、つけられたと思われるキズ。貴之は悠弥を抱きしめた。
「悠弥今まで気付いてあげられなくてごめんな…」
「分からないようにしてたんだから、ばれたら困るよ…」
「そうだな。強いな…悠弥は」
「ふあっ!ちょと何するの先生」
貴之は悠弥の背中のキズを舐めた。全てのキズを…
「あっ…んっ…っ」
「敏感だな、悠弥感じた?」
「きょ…しの…あっ…クセに」
「そうだな、でもなんか…止まらない…ごめん」
「せんせ…っの…変態」
「背中だけだから…」
「あっ…ああ…ふっ…うっ」
「悠弥…好きだよ」
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