ツンデレな生徒の手懐け方
□僕だけじゃダメなの?
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「僕だけじゃないの?」
「えっ!?」
「僕には蓮条だけなのに!!」
悠弥は今までに訊いたことのない大声で叫んだ。
「なっどうしたんだ?悠弥。落ち着け、ちゃんと訊くから」
蓮条は悠弥の肩を掴み落ち着くようなだめた。
「……」
「落ち着いたな?どうしたんだいきなり何があった?俺がなにかしたか?俺に出来ることはあるか?」
「……」
悠弥はうつむいたまま黙っていた。
「悠弥、黙ってたって何も分からないだろ?いつものお前らしくないぞ」
「…僕らしいって…何?」
悠弥はかすかに呟いた。
「えっ!?…だってお前はいつも云いたいことは云うだろ?」
「…蓮条は…僕のこと何も分かってない…分かろうとしてない」
「俺は必死にお前のこと分かろうとしてる」
「だったらなんで…僕と一緒にいてくれないの?…どうして…蓮条は僕だけじゃないの?」
顔をうつむかせたまま泣き出しそうな震えた声で悠弥は喋った。
「悠弥…俺は悠弥のこと誰よりも何よりも好きだ愛してる。でも俺は教師として子供達を護らなきゃいけない。一緒に遊ぶのもその一つだ。だから嫌いになったわけじゃないぞ」
「違う…」
「違うのか?」
蓮条は悠弥をジッと見つめた。
「悠弥…俺はお前のこともっと知りたいよ。だからこそ、お前の思いは口に出してくれないと分からないよ。そのために口が在るんだろ?」
「…僕だけじゃ…ダメなの?…蓮条には僕だけじゃダメなの?」
「俺には悠弥だけたよ」
「…他の子とも一緒にいる」
「そんなんだったら俺も言わせてもらうぞ。悠弥だって恋や南緒と一緒にいるだろ?」
「恋や南緒とはそういう…関係じゃ…ない」
「俺だってそうだ。みんなとは一緒にいるけどそういう関係じゃないだろ?それに…みんなに対してはキスしたいとか抱きたいとか思わないけど…悠弥にはしたいし俺以外の奴には触って欲しくない」
悠弥の顔は一瞬にして真っ赤になった。
「俺こう見えて独占欲強いからな」