頂き物・捧げ物等
□戦利品はりんご味
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「お前のせいで喉渇いたヨ…ちくしょー、もう動けないネ」
「馬鹿言うな、喉が渇いたくらいで情けねェ。人間の体の97%は水分なんだぜィ」
「嘘つけェェ!そんなに大井わけないダロ!あーもうまた叫んじゃったアル、どうしてくれるネこのサディスト」
「責任取ってやりまさァ」
へ?と神楽が自分の耳を疑う隙も与えず、沖田はひょいと彼女の体を担ぎ上げた。
小柄な体は難無く沖田の肩まで持ち上がり、気付けば神楽の視界には沖田の背中だけ。
慌てて手足をバタバタさせたが、それも虚しく空を切るだけだった。
「ちょっ!いきなり何するアルカ!」
「動けねーんだろィ?運んでやらァ。それともお姫様だっこが良かったですかィ、お嬢さん?」
「やっぱお前頭おかしいネ!脳みそ水分多すぎでふやけてるんじゃないアルか!?」
降ろせヨ!という彼女の猛抗議もものともせず、沖田は涼しい顔でそのまま歩き始める。
慌てた神楽がどこへ行く気かと尋ねても、沖田は一向に口を開かない。神楽からはその表情さえ見えなくて、わけもわからぬままどこかへ連れて行かれる。
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