頂き物・捧げ物等
□戦利品はりんご味
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「チャーイナ」
「!?」
「これで決着な。ジャーンケーン、」
ポン!
咄嗟に出した手は、ぎゅっと握り締めたグー。
「俺の勝ちだねィ」
ふわりと差し出したパーの手をひらひらさせて、沖田はニッと笑った。
「…最後の決着がジャンケンなんてしょぼいアル」
「そーいうのを負け犬の遠吠えって言うんだぜィ。さーてジュースどれにすっかな〜。チャイナお前、何味が好き?」
「どーせお前が飲むんだから答える義務なんてないネ」
「いーから答えろィ。何味でィ?」
「…じゃあ、りんご」
ふーん、と意味ありげに頷いて、沖田はりんごジュースのボタンを押した。
がたん、と音がして取り出し口に缶が転がる。それをそのまま手に取って、沖田がフタを開けるとぷしゅ、と快い音が聞こえた。
「あー、喉渇いたぜィ」
聞こえよがしな台詞を吐いてごくりと沖田はジュースを飲む。喉を潤すその音に、神楽は惨めな気持ちになって唇を尖らせた。
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