Short Story
□愛しき桃色に
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11/3。そう、今日は自分の誕生日。こんな日に寝込むなんて……
本当に最悪だ。新八なんて何日も前から少しずつ準備してくれていたのに。
『ふざッけんじゃねーぞコルァァ!!』
どうしようもなく怒りが込み上げて思い切り布団を蹴飛ばしてみる。すると案の定、新八が何やってんのォォ!?とツッコミを入れながらやってきた。
『どうしたの神楽ちゃん?ちゃんと寝てないと熱上がっちゃうよ』
そう言いながら布団を直す姿は母親のようで。病気の時、人に甘えたくなるのは神楽も例外じゃなかった。
『新八ィ、銀ちゃんは?』
『ああ、銀さんなら買い物に行ったよ。それにしても今日は残念だったね…夜までに下がると良いけど』
『じゃあ…頑張って治すネ』
『うん…あ、そうだ。卵粥作ったんだけど…食べれる?』
『マジでか!!食べれるアル!!』
元気そうに言う神楽に軽く苦笑すると、急ぎ足で台所に向かった。
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つまらねェ。それもこれもみんなあの糞チャイナのせいだ。
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