Short Story

□愛しき桃色に
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今日は土方と一緒の巡回で。その途中に通り掛かった公園で足を止めた沖田に土方は苦笑すると、何を思ったのか先行ってるぞと公園を後にした。土方なりの気遣いなんだろう…だが彼には全く通じず、心の中で『そのまま車に跳ねられて死ね土方』と悪態を付く始末。


辺りを見回してみるものの、あの目立つ桃色の姿はなく。沖田はいつものベンチに座ると小さく舌打ちをした。


(居ねェのかよ。つまんねーの)


居たら居たで、気分もまた違うハズだった。



アイツはとんでもない餓鬼でムカつく事はあるものの、くるくる表情が変わるのが面白くてしょうがなかった。


餓鬼の癖に力と食欲だけは人一倍あって。何より反応が面白いから、からかいがいのある奴。ようするに暇な時居ると便利。


今日はアイツの誕生日なんだと銀時に聞いて。初めは関係ないと思ったが、誕生日なら何か恵んでやらなくもない、と思い直し巡回前ポケットに入れて来た小さな箱。



(何を期待してんだか……)






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