Short Story

□追憶
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『あ〜ぁ、こりゃアレだ、うん、アレ。マヨネーズの呪いにかかってる。うん、ちげぇねェ』

うんうん、と一人で相槌を打つのは、嫌に時計の音と水音が耳につくから。こんなに静かな万事屋は久しぶりで、銀時は無意識にそれを拒むかのように声を大きくした。


―――――落ち着かねぇ。

自分の気持ちを素直に受け止める。いつからこんなに情けなくなっちまったんだ、俺は。

『あいつらが居ねぇだけで…こうも静かとはな…もしかしてアレか?効果音とかもあいつらの仕業?いつも賑やかでうるせーのはあいつらが居たから…?』

銀時はそう言いながらふと下を見、溢れ出している水を発見し『ヤベ!!』と慌てて蛇口を閉める。なみなみとコップに入った水を零さないように慎重にコップを口元に近づけ、一気に飲み干した。

『あれ…?』
コップを置いたと同時にふと耳に音が入った。

なんだ?雨…?

いつから雨が降り出したんだ?

ベランダのほうに向かい、カーテンを開け確認する。

どんよりと曇ったモノクロの空からしとしとと雨が落ちるのが目に映った。銀時は目を細める。





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