Short Story

□家族日和
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『…お兄ちゃんが…降りて来ないの…』
『何ッ!?おのれ…バカ息子め…!!遊子を泣かせるとは許せん!!よし、待ってろ遊子!!今すぐアイツに父ちゃん必殺トルネードクラッシュを…『せんで良いッ!!』

夏梨は今にも2階に駆け上がりそうな一心にキックを食らわせ席を立ち、階段を上る。

『もう良い、あたしが見に行く』
『あ、夏梨ちゃん私も…!!』

娘二人が行ってしまった為、父は一人寂しく泣きべそをかきながらポツンとみそ汁を啜った。

『父さん寂しいッ…』


* * * * * *

『お兄ちゃん…?』
二人は一護の部屋の前に立っていた。何回か呼び掛けても、やはり反応はない。

―――もしかして何かあったんじゃ…

そんな考えが頭を過ぎり、居てもたってもいられなくなった二人は、勢い良く『15』のプレートが掛かった扉を開けた。

『一兄!!』『お兄ちゃん!!』
布団の山が出来ている事から、兄がまだ布団の中だ…という事が理解出来る。

『『――…』』

二人は顔を見合わせた後、ゆっくり山へと近づいた。そっと布団の隙間から顔を覗いてみると、少し苦しそうな表情。

『も、もしかして…』
遊子が違和感を感じたのか、少し不安げな顔で一護の額に手を当てる。



―――熱い。



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