Short Story
□アイス争奪戦争
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怪訝そうに沖田の目線の先を見てみると、そこは台所。
誰も居ないようだが、何やら台所へと続く廊下は殺気に満ちている事に近藤は気付いた。
嫌な汗が額から吹き出る。
『――…さァ、始まりますぜ。近藤さんも強制参加ですがねィ』
『ちょ、ちょっと待て!!お前ら一体何をやって…!?』
『争奪戦、でさァ』
そう言って沖田はニヤリと笑い、台所に向かって走り出す。
『あ、オイ!!総悟!!』
次の瞬間、近藤は目を疑った。『ドォォン!!』という爆発音と共に、台所で戦争が勃発したのだ。
『えェェェェェ!?!』
驚愕の声を上げる近藤をよそに、徐々に激しくなる争い。よく見てみると、皆冷蔵庫を目指している。
『渡せるかァァァァ!!』
『絶対に俺達が入手しろォォ!!』
冷蔵庫の回りで、土方や先程走り去った沖田も隊士に混じって取っ組み合いの乱闘している。
(な、何故冷蔵庫に…?!)
冷や汗を流しながら理由を考えていくうち、思い当たる節が一つあった。
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