Short Story

□日番谷の苦労
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――此処は、日番谷冬獅郎率いる十番隊の執務室。
今日も彼の怒声から一日は始まる。


『松本…なんだこの有様は』
執務室の扉を開けた日番谷は、青筋を何本か額に浮かべた。
『あ、スイマセン隊長!!そこ踏まないで下さい』

この状態に詫びる事もなく平然と足元の注意をする部下に青筋がまた増えたが、怒鳴りたい衝動を飲み込む。

もしかしたら、何か訳があったのかもしれない。第一すぐ怒るのは餓鬼のする事だ…ここは冷静に…

『…で、何なんだこの有様は?』


いくらか顔が引き攣ってしまったが何とか冷静に聞き出せたようだ。だが、次の乱菊の言葉で彼の考えは吹き飛ぶ事になる。


『あぁ、ちょっと休憩しようと思ったら少し散らかしちゃって…』


――少し散らかしちゃって、だと?少しのレベルを遥かに上回るだろ、この状態は。しかもまだ出勤してから時間、そんな経ってねェよな?


アハハと笑う彼女を見て、日番谷の青筋が切れたのは言うまでもなく。


『松本ォォォォ!!!』





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