Short Story
□日番谷の苦労
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『おま…』
目を丸くしている日番谷を見て、雛森は楽しそうに微笑んだ。
『びっくりした?日番谷くん。ごめんね、おどかしたくなっちゃって』
えへへ、と笑う雛森に日番谷はバツが悪そうに視線を反らした。
『…お前に敬語は似合わねーよ』
『すぐそうやって意地悪な事言うんだから…ちょっと悪戯したくなっただけでしょ!?』
『別に意地悪じゃねぇ、本当の事だろ』
『もう!!』
目の前でコロコロ表情が変わる雛森を内心面白く思いながら書類に手を伸ばす。
『あら、雛森!!どうしたの?』
『あ、乱菊さん!書類を届けに来たんです』
茶を煎れた湯飲みをお盆の上に乗せて戻って来た乱菊は、雛森を見て目を丸くしたものの、『そう』とすぐに表情を和らげた。
二人の様子を見ていた日番谷がふとお盆を見ると、何故か湯飲みが3つ。
(来るって解ってたのか…)
勘だけは鋭いな…と日番谷は軽く苦笑する。
『ちょうど3つお茶煎れたところなのよ〜!!雛森もお茶しましよ?』
『え…でも…』
『お仕事の邪魔しちゃ悪いし…』と続ける雛森に、乱菊は大丈夫よ、と日番谷のほうへ振り返る。
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