Short Story

□月夜の談話
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『…み…』


『…はい?』


あまりにも小さい声だった為聞き取れなかった。思わず聞き返したリーバーのほうに向き直り、『あぁ、』と頷くと優しく微笑む。


『お月見、やろうよ』


『……』


またこの人は…とリーバーはため息を付く。いつもコムイの言う事は唐突だ。その書類が終わったら皆を集めて来て欲しいな、と言って楽しげに笑う上司に、もはや苦笑いするしかなかった。



* * * * * *



『うわぁ…!!』

教団の外にリーバーの呼び掛けでエクソシストや探索部隊達が集まって来た。驚きの声を上げる少年を見て、コムイは楽しげに顔を緩ませた。


『コムイさん、皆で集まって何するんですか?』
『うん。お月見だよ』


『お月見…?』


そっか、アレン君お月見初めて?と首を傾げるコムイに、少年は素直に頷いた。


『お月見っていうのは…月にお団子とかススキの穂をお供えしてね…文字通り『月を見る』というか…感謝する日、かなぁ?』


(コムイさん、解らないんだな…)


段々声が小さくなるコムイにアレンはアハハ…と苦笑しながら、『何となく解りましたよ』とフェローする。





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