頂き物・捧げ物等
□戦利品はりんご味
1ページ/10ページ
0、0、30。
それは両者にとって、実に不愉快な数字の並びだった。
「0勝0敗、引き分け30。いい加減にしなせェ」
これみよがしに溜息をついて、沖田がギロリと相手を一瞥する。
「何言ってるネ!?お前こそいい加減にするヨロシ!」
対する神楽もその視線を受け止めて、じとりと相手を睨み返す。
両者の力は拮抗、激しい攻防を繰り返してもう幾月。今月だけで数えても、先程沖田が述べた通りもう30戦全てが引き分けに終わっていた。
「こうも引き分け続きじゃつまらねェ。ここいらで決着、つけようじゃねーかィ」
「フン、臨むところヨ!まぁ最初っからお前が負けるのはわかりきったことだけどナ!」
「デケー口叩く割りには随分と俺にてこずってんじゃねーかィ」
「うるっさいアルな!次でこてんぱんに打ちのめしてやるヨ、バーカ!」
「…その台詞も聞き飽きたぜィ」
心なしかげんなりした表情の沖田に、神楽も思わずつられて溜息を漏らす。
喧嘩自体に疲れたわけではない。
むしろ相手へ言ってやりたいことはたくさんあるし、ぶちかましてやりたい技もまだまだ尽きそうにない。
・