頂き物・捧げ物等
□戦利品はりんご味
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しかし今月だけで既に30戦というのは、つまり一日一戦以上やり合っているわけで。
いい加減、相手が負けて心の底から悔しがる表情が見たい。
むろんそれは歪んだ性癖とかではなくて(沖田に関してはそうかもしれないが)、勝負事をする者なら誰しも思うことだろう。
故に彼らも、早いところ何らかの勝敗をつけたかった。
「…何かないアルか、勝ち負け決まるモノ」
「空気イス」
「やりたきゃ勝手にやれヨ」
「しゃーねーなァ。野球拳で我慢してやらァ」
「寝言は寝て言えヨこのバカが!大体何で上から目線なんだヨ、ナメてんのかコルァ」
「ちょっ、タンマタンマ」
がしっと掴まれた顔面からメキメキと音がし始めたことに、少しだけ焦りを滲ませながら沖田が後ずさる。
「ちょっと言ってみただけだろィ。俺だってオメーのあられもない姿なんか見たかねェよ」
「お前はそのいかれた思考回路をどうにかしろォォ!何があられもない姿アルか、このムッツリが!」
腹の底から大声を出して叫ぶと、ふぅ、と神楽は小さく溜息をついた。
何だか今凄く無駄にエネルギーを消費したような気がしてならない。
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