頂き物・捧げ物等
□アクシデントは時に福音
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ばちり。
視線が合った瞬間に、戦いの火蓋は切って落とされる。一方は藤色の傘を、一方は黒塗りのバズーカを。握り締める手の平に力を込めて、互いの照準を相手に合わせる。
どん。
鈍く重い音と共に繰り出されたのは燻る煙。途端に藤色の傘がぱっと開かれて、綺麗な花を咲かせる。
ふわりと跳ね返された爆炎は真下の川へと落ちて、重々しい音をたてながら水底へ沈んだ。
「…煙くさい」
ぱたんと傘が閉じられて、不機嫌そうに顔を歪める少女の姿が現れた。迷惑、という字が書かれているかのようなその表情を見て、沖田は可笑しそうに眉を吊り上げる。
「変な顔」
「喧嘩売ってるアルかァ!?」
「嘘。めちゃめちゃ品のある顔してるぜィ、チャイナ」
「完っ全にバカにしてるダロ!むかつくアル〜〜ッ!」
仕返しネ!と呟いて神楽はガシャンと傘の柄を引いた。すると先端に光が集まって、どんどん膨らんでいく。
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