頂き物・捧げ物等

□拍手文
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(勇誕)



澄み渡った青空に白い雲。ああ、今日はなんていい天気なんだろうか。



少年は漆黒の髪を風になびかせつつ、ゆっくりお茶を啜りながら空を見上げた。




少年の名は山田花太郎。一見気が弱く頼りなさげに見えるものの、四番隊第七席であり、上級救護班班長を任される程の実力を持っている。




今は所謂、お昼休みというヤツである。




此処、四番隊は護廷十三隊の中において戦闘面では主に十一番隊の隊士には馬鹿にされっぱなしなものの、治療においてはその実力は高い。



ただ補給・治療専門の部隊な為、他の隊から主に雑用(所謂パシリ)を任されるという不憫な隊というのもまた事実である。





「お疲れ、花太郎」





のほほんとしていた所で不意に、肩をポンと叩かれた。その瞬間身を縮こませて「ひぃぃぃぃ!」という情けない声を発してしまったが、まあそれは仕方がない。彼が声を掛けられる時は大抵怒られる時であり、クセで謝ってしまうのだ。






「あ、あの、済みません!ごめんなさい ごめんなさい〜!」



「あっ違う違う!落ち着け花太郎!!」



「…へ?」



ぱちくり。
何回か瞬きをした彼に擬音を付けるならそんなところか。その声に土下座していた顔をゆっくり上げるとそこには見知った顔があった。



此処、四番隊の中で上から2番目。つまりは第二席であり副隊長の虎徹勇音である。





「あっ、副隊長!お疲れ様です!」


「お疲れ様。驚かせちゃったみたいで悪かったね」


「いえ、そんな事…僕のほうこそ勝手に勘違いして済みませんでした」


「ホラ、また謝る」


「あっ済みません!!…あ、また言っちゃった…」




どうやら本当に謝るのがクセになってしまっているようだ。不憫な部下にクスリと笑うと、隣に腰掛けてみる。縁側は、陽の光りに当たってとても温かかった。




「そういえば、こんな所に副隊長が来るなんて珍しいですよね。どうしたんですか?副隊長もお昼休みとか…?」


「残念。午後から卯ノ花隊長が非番をくれたんだ。だからちょっと暇になっちゃって…」


「そうだったんですか…あの、僕でよかったら話し相手になります」


「ふふ、有難う」





まずはお茶でも煎れましょうか、なんて。まるで心地の良い日だまりような暖かい笑顔。




そこに美味しいお茶菓子と美味しいお茶があればあら不思議。幸せが足音をたてて近付いてくる。




(今年1年も幸せな日々になりそうだなぁ)





それはゆったりとした、夏の午後のひと時。





ティータイムにて
(ホラ、幸せがまた1つ)






────────
四番隊好きです^^

本当は卯ノ花隊長や伊江村三席、荻堂さんも出したかったのですが;;

とにかく、勇音おめでとうでした!!




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