頂き物・捧げ物等
□拍手文
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(コムイ+アレン)
彼程に数奇な運命を持った少年は、いないと思った。
「コムイさん。僕は、どうなるんですか?」
「──アレンくん」
エクソシストである彼が。仲間がどうか疑われ、ましてや異端審問を受けなければならないかもしれないなんて。
不安 怖い 苦しい
そういう負の感情をあまり表には出さない彼が見せた揺らぎ。
あれ程までに強い意志を宿していたハズの瞳には、今はただ弱い光だけが燈っていて。
14番目の事。
マナ・ウォーカーの事。
そして、自分自身の事。
まだその全てを受け入れきれずに、動揺に揺ぐ瞳。
(そんなの当たり前だ。だって彼はまだたったの15歳なんだから)
不安定で当たり前なのに
それなのに、
「──護ってあげられなくてごめん、ごめん…」
「コムイさん、」
無力で何も出来ない自分自身が歯がゆくて。溢れた自責の念。
(何が僕が皆を護る、だ。結局彼の為にはなにも僕は出来ていないのに)
振り絞るように何度も、ごめん、ごめんと言い続けた。
大丈夫です、と弱々しく微笑んだ表情にはやはり力はなく。
いたたまれなくなって、その華奢な背中を強く抱き締めた。
せめて僕がこうする事で、
(彼の中にある不安を取り除ければ良いのに)