頂き物・捧げ物等
□拍手文
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〜ぬくもり〜
小さい頃、リナリーはよく一人じゃ寝れなくて。すべて飲み込んでしまいそうな漆黒な夜は、必ず僕を呼んだ。
『お兄ちゃん』
僕には、どんなに離れている場所でもその声だけはちゃんと届いた。
『どうしたのリナリー?寝れないのかい?』
最初にリナリーが夜に僕を呼び始めた時、確か僕はそう言った。
ひどく怯えた表情で、リナリーは僕を探して部屋まで来てくれていた。
『うん…』
『怖い夢でも見たの?』『違うの…』
『そっか……大丈夫だよ』
震えるリナリーの肩に優しく手を置いて、目線を合わせる。
『お兄ちゃんが…居なくなっちゃうをじゃないかって、私…怖い』
僕は『そっか…』と呟くとリナリーを優しく抱きしめた。
『……ごめんね、一人で寝かせちゃって…大丈夫、僕はリナリーを置いてどこにも行かないから』
『…本当?』
『うん、本当だよ。お兄ちゃんが今までリナリーに嘘ついた事…あった?』
『ない…』
『よし、いい子だね』
優しく微笑むと、そのままリナリーを抱っこして、寝室まで運ぶ。
『お兄ちゃん…』
『ん?』
リナリーの頭を優しく撫でていると、リナリーが話かけてきた。
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