頂き物・捧げ物等
□二つの世界の狭間で
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(※微グロ注意)
こっちにはもう『帰って来れない』なんて言ったら
アイツらは、どんな表情で俺をみるだろうか。
二つの世界の狭間で
アイツらを失うのが怖い、なんて柄でもないのに。
鮮血が宙を舞って、目の前が、歪む。
エクソシストに、あの少年に、
やられた。
ああ、俺もここまでか。
目の前にはなんとも複雑な表情を浮かべたイカサマ少年と、真っ赤な血の海がただただ広がって
(なんて顔してんの。俺は敵だろ?敵を倒したんだからさぁ、)
―――もっと喜べよ。
視界が霞んでくる。
こんな時にも関わらず(ああ、俺の血も赤かったんだ)、こんなことをぼーっと考えてしまう自分が、ただただおかしい。
(――ま、少年らしいケドさ。最後まで変わった奴だったよ)
いよいよ終わりが近いらしい。もう手も…どこも動かない。
(……アレ、)
視界、が。
視界が真っ暗になるハ ズ な の に
真っ暗どころか、真っ白だ。
その空間には俺の家族達(ああ、最後までこっちに向ける生意気そうな顔は変わらない)
ゴ メ ン、俺負けちゃったよ。
そしてその先には―――
(誰もいないハズだったのに、な)
アイツら
(仲間友達親友離れたくない離れたくないもっと笑い合いたい生きたい)
(死にたく、ない)
ああ、俺はもっと生きたかったかもしれない。
死ぬことなんか怖くなかったのに、な、
『―――は、』
嫌なユメだ。
エクソシストの敵はノア。ノアの敵はエクソシスト。
何も言わずにいなくなってしまう俺のことを思って、泣いてくれるだろうか。
『ティッキー、』
『あ?』
うなされてたよ?
いつの間にか近くで立っていた少女が柄にもなく苦しげな顔で話し掛ける。
『………、』
どっちも大切。どっちも大事。
こんな宙ぶらりんな俺なのに。
『ありがとな』
(それでもアイツらとまだしばらく一緒に居たいと思うのは、罪だろうか)
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灯里さまリク。
ティキのシリアスです。
まだ初期の頃の設定ですが、ティキには人間の仲間も居ましたよね。なんだかんだ大事に思ってたんじゃないかなあ、って。
そんな二つの間で揺れ動くティキの気持ちを表現出来てたら嬉しいです。