Short story2

□ヤキモチやきなコイビト。
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「銀ちゃん銀ちゃん」


「あ?」


「恋するってどんな気持ちアルか?」




バリッ。




思わず読んでいたジャンプを引き裂いてしまった。急に黙り込んだかと思えばこれだ。…なに?なんなのこの子は。何でんな事を聞くかなこの子は。



「……なに、もしかして気になる奴でもいんの?お前」


「そんなんじゃないネ。ただ気になっただけアル」


「…あっそ、」



そう返したものの、内心はえらく動揺していた。まさかあの神楽にそんな話題を振られるとは流石の銀時も思っていなかったのだ。

暫く考える。教えてやったほうが良いのか?いや待てよ、好きって気持ちが解んねェなら気になる奴が居るとか解んねェじゃねェか。




「ねぇねぇ、どんな気持ちアルか?勿体ぶらないで教えろヨ天パ」


「何お前、それが人に教えて貰おうとする態度ですか?」


「天パに天パって言って何が悪いネ天パ。いいから教えろヨ天パ」


「天パ天パうるせェよ!天パに恨みでもあんのかテメェは!?殴りますよ!?」


「教えるか教えないかハッキリするヨロシ。毛ェ毟りますヨ」


「……はー…ったく、しょうがねェな」




ゴホン、と一つ咳ばらい。何をこんなに緊張してるんだ俺は。
そうとも知らず、酢昆布娘は期待した眼差しで見つめてくる。



「あー…そうだな、好きって気持ちはな」


「ウン」


「そいつの事を考えると夜も眠れなくなったり…」


「ホウホウ」


「そいつと居ると楽しいって思えたり一緒に居てェと思ったり…あとはアレだな、」




そいつと目が合ったり側に居ると、ドキドキしたりする事だな。そこまで言って少女のほうを見ると、何故か顔を俯かせた姿が目に入った。



心臓が、おかしな音をたてて跳ねたのが解る。



(……?)




「オイ、神楽…?」


「銀ちゃん」


「……あ?」


「良かった!私ちゃんと恋してたネ!」


「…えっ…」



ひく、と顔がひきつったのが自分でも解った。
オイ、何だソレ銀さん知らないんだけど。軽く問題発言だからねそれ!!!



「今日サドの奴に恋した事ねェだろって言われて私めっさ腹が立ったネ。これでアイツを見返してやれるアル!ありがとな銀ちゃん!」


「ちょ、神楽ちゃあァァァん!?」


「んだヨ、うるさいオッサンアルなぁ〜」



「誰だソレ!!許さんぞ銀さんは!」


「銀ちゃんアル」



「うちの神楽をたぶらかした事を後悔させてや……は?」


「だから銀ちゃんヨ」


「…なっ、バカお前!大人をからかうんじゃねェよ!」


「からかってなんかないヨ。…嫌アルか?」


「い、嫌じゃねェけど?」



(アレ、なんで嫌じゃねェの俺…いやいやいや、よく考えろオッサン!!奴は子供だロリコンになるぞ俺ーー!!!)






ヤキモチやきなコイビト。
(やきもきさせんじゃねーよ!)
(いてっ!!)



こんなガキにどきまぎするなんて予想外なんですけどォォォ!





Fin
.


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