Short story2

□我が儘姫と未来のワルツを
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(ねぇティッキー、遊ぼう?)





無邪気な声が聞こえる。
俺はいつもこの声に、安眠を邪魔されたり喫煙タイムを邪魔されたりする。


勘弁してくれよ、煙草ぐらいゆっくり吸わせろ。それに俺は疲れてんの。





『じゃあ今日は鬼ごっこ。ティッキーが鬼だよ?』


『はいはい。ちゃんと10数えろよ』


『何言ってんの、数えるのはティッキーでしょ』


『へー、知らなかったなそりゃ』


『鬼の仕事を僕に押し付けてサボろうとしたから、バツとしてティッキーは1000まで数えなきゃダメー』


『…おーい』






(つーか1000って。果てしなくゴールまで遠いんですがお嬢さん。数えるだけでどんだけ時間かかるの。下手すりゃ日が暮れるだろ)




なんて胸の中じゃたくさんの不満を愚痴りつつも結局はこの我が儘姫の言う事に従ってしまうのは、面倒見が良い証拠なんだと思う。
…いや、単に押しに弱いだけか?(だがそれはあまりに格好悪いので、ここは大人のメンツを潰さない為にも前者のほうとしておく)





まあ良いやどうせ何言ってもアイツは聞かないし、なんて思いながら切り取られた空を見上げる。もはや諦めの境地だ。
実際此処での扱いは思いきり弄られキャラだし、諦め癖がついてしまったのは仕方のない事かもしれない。





『     』





遠くからちゃんと数えてるー?なんて独特のソプラノボイス。



ああ忘れてた。声の主はとっくにどこかに走り去っていて、安心しきっていたというのに(全くこういうところは抜かりないから厄介なのだ)





本当に後で変な悪戯を仕掛けられたら困るので、此処で素直に数えたほうが賢明である、と今までの経験がそう告げたのを合図にゆっくり数え出す。それのゴールはもちろん遥か彼方1000までだ。





(あ、あの雲の形どっかで見たな)






数えつつも真っ青な自然の作り上げた壮大な絵画を見上げながら思いきり煙を吸う。





そしてそれは何故か目にしみて、身体をもふいに攻撃してきたので思いきり噎せた(怠そうに数えてる罰とでもいうのか)





(俺格好悪…)






でもそれは気にしない事にする。涙目になったって結果は同じだ。





1000まで数え終わらない間にもしかしたら我が儘姫の気が変わるかもしれないし、飽きるかもしれない。いつだって未来は、物語の先が見えないから面白いのだから。








我が儘姫と未来のワルツを
(さあ、お手をどうぞ)




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ティキ+ロード

好きなコンビ。
ひたすらにロードに振り回されるティッキーが素敵^^ ←


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