死帳物語

□女王様っ!
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ここはキラ対策捜査本部。
捜査員の一人である松田は、ちらちらとある二人を、─竜崎と月を見ていた。
二人の手と手を繋ぐ重々しい手錠…その異様な光景に慣れる事が出来なくて見てはまた目を反らす、を何度も繰り返していた。
「松田さん…先程からなんですか。捜査の邪魔です」
「す、すみません!!」
「邪魔って…もうちょっと言い方があるだろう、竜崎。すみません松田さん」
わざわざ月が竜崎の言い方について謝ってくれた。
ああ…なんていい子なんだろう、月君…彼がキラだなんて絶対有り得ない!!
なんて松田が感慨に浸っていたら。
「月君…」
「なんだよ、竜崎。僕は忙しいんだけど」
「松田にはあんなに優しく接していたのに私に対しては酷いんですね」
「お前に優しくする口はない」
「…ヤってる時はあんなに素直なのに」
───ぶっっ!!
捜査本部の人達は一斉に飲んでいたものを吹き出したり、咳き込んだりした。
特に局長であり月の父である夜神総一郎は凄まじいぐらいの動揺ぶりだった。
勿論、当の本人の月も動揺していて。
「なななな何言って…!?」
「だから昨日の…」
「わああああー!!」
月は顔を真っ青にさせて叫んだ。
普通こんな所でそんな事言うか!?
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