□騒がしい安らぎ
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「有難う…」

純粋に、嬉しいと思う。
その心遣いがとても嬉しかった。
温泉旅行だなんて、そのセンスがどこか老人くさいと言えばそうだが、何となく「らしい」とも思った。

「ほらツナ、さっさと旅行の準備して来いよ。ボンゴレの事は旅行の間は忘れてろ」
「うん、そうだね!」

折角守護者達が相談してまでこんなプレゼントを贈ってくれたんだ、好意に甘んじるべきだろう。
それに実際、仕事が溜まってかなり疲れていた。
このプレゼントは本当に嬉しいものだった。
折角皆が用意してくれたんだ、準備をしなくては、と腰を上げると山本が俺を引き止めた。

「あ、ツナ」
「ん?何?」

山本はおもむろに俺に近付くと、額に小さくキスをした。

「……!?」
「良い旅を…ツナ」
「な…!?」

そのあまりの突然の行為に俺は赤面してしまった。

と、突然テラスの観葉植物がガサガサと動き始め中から何かが出てきた。

「あっ、テメー十代目に何しやがる!!」
「ごっ、獄寺君っ!?」
「くふふ…抜け駆けは卑怯ですね」
「骸も!?」
「ねぇ、何群れてるの?」
「雲雀さん…」
「温泉よりボクシングはどうだ、沢田ー!!」
「え…遠慮します」


本当に時々ただのお騒がせ虫な事もあるけれど、やっぱりこのメンバーが好きなんだ。

山本は呆れ笑いを浮かべつつ、ツナの方へ向き直った。

「ま、とにかく」



『Happy Birthday綱吉!』



守護者達の声が部屋に響いた。


その日はとってもいい天気だった。



end

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