霧
□言葉を想いに乗せて
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言葉なんて要らない。
ただ、愛して。
「……っく…」
「…我慢するのはやめて素直に声出しなよ…骸クン?」
「誰…っが…ぁ…っ」
いつからだろうか、この体を繋げるだけの関係が始まったのは。
互いの熱を貪る様に、求め合う様になったのは。
「うっ…く、っあ…ぁ」
「可愛いよ骸クン…もっと声を出して、聴かせて…」
「ひぁ…っあ…!」
骸が狂おしげな喘ぎ声をあげる。それと共に白蘭も快感の吐息をつく。
「は…っ、僕もそろそろ、限界みたいだね…」
「…っ、ふぁあ!」
波打つ奔流。
骸の中に白蘭の欲が解き放たれた。
「は…ぁ」
「…っ、中に直に出すのは止めて下さいと、言った…のに…」
「ごめんごめん、忘れてたよ」
情意後特有の赤みがかって潤んだ瞳を出来うる限りで鋭くさせて骸は睨む。
しかし当然ながらその程度で畏縮する程気弱ではない白蘭は情意後を感じさせない元気さで微笑んでみせた。
「怒らないでよ、気持ちいいものだからすっかり」
「……。…すっかり忘れないで下さい」
臆面なく言ってみせる白蘭に骸はただただ呆れるばかりだ。
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