□神が施すは己が驕り
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神なんて居ない。
別に僕は宗教的な事柄を否定する心算はありませんから、そんな事は言いませんよ。



†神が施すは己が驕り†



どうしてなのか、そんな事は忘れてしまった。
気付けば白蘭と話していたのは、「宗教」関連の話。
何がきっかけだっただろう。
思い出そうとすればする程どつぼに嵌るのが人間という生き物な様で、これ以上考えたところで無駄に気になり損になってしまう、と骸は話の起点探しを已むなく諦めた。
しかし考え込むあまり白蘭との会話の方を忘れてしまった様だ。
肝心なところを忘れてどうするんだか、と己が事ながら骸は呆れてしまう。

「すみません白蘭。今どこまで話しましたっけ?」
「ん?“数多く存在する宗教で崇められる神サマだなんて類が実際存在し得るのか”…て事だよ。さっきの事じゃん」

そうだそんな内容だった。
しかしまた何でこんなどうでも良くて面倒極まりない話を始めたんだか。
思い出せないのだから解明つかぬ謎ではあるが。

「まあいいじゃないですか白蘭。で、白蘭はその事についてどんな見解を?」
「言うまでもない事だよ」

白蘭はそう言い、侮蔑を含んだ顔を覗かせる。




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