□ヤキモチ厳禁
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「白蘭、ちょっと抱いてくれませんか」
「…へ!?」

骸の大胆発言に白蘭は素っ頓狂な声を上げた。



†ヤキモチ厳禁†



「ちょっとも何も、幾らでも大歓迎だけど…?」
どぎまぎしながら白蘭が言うと、骸はにっこりと見惚れてしまう様な笑みを浮かべた。
白蘭が骸にベタ惚れである事を抜きにしても、美しいと形容できる微笑みだ。
「そうですか、それは有難う御座います。では宜しくお願いします」
これは夢か。
夢なのか。
いつもの骸ならば、白蘭が少しでも近付けばそれはそれは嫌そうな顔をするのに。
これはきっと神様が与え賜うた御褒美なのだ…と白蘭は鼻の下を伸ばした締まりの無い顔で骸に近付くと、何かもふもふしたものを顔に押し付けられた。
「ぶへっ!…何…?」
「……んにゃあ」
クリクリとした瞑らな黒い瞳に、同じく黒の毛に覆われたもふもふの小柄な体。そしてピンと立った耳…どこからどう見ても、子猫。
「え…骸君?」
「捨てられていたんです。子猫だし、体も冷えているから抱いて温めてやっていたんですけど…肝心なこの子の食事が無いみたいで。ミルクを買ってくるんで代わりにこの子を抱いてやってて下さい」




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