銀魂物語

□止められない
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白夜叉。
かつてそう畏怖と尊敬の意で呼ばれた男がいた。
しかし彼を白夜叉と呼んでいた者達は思うだろうか?
かつての彼が、こんな事に思い悩むなどと……。
「銀時ィ」
片目に包帯を巻いた男が銀髪の男─坂田銀時の肩に手を置いてニヤリと笑った。
「あん?んだ高杉」
銀時は面倒そうに答えた。
「くくく…つれねえなあ銀時」
「…高杉よ」
「何だぁ?」
銀時は刃物の様な瞳で高杉を睨んだ。
その目はまさしくかつての白夜叉──。
「お前は一体何を企んでんだ?…もう俺達は仲間じゃあねえ…それは高杉、お前が一番解ってる事じゃねえか?
ヅラとも…俺とも違う道を選んだ時点で解ってる筈だ」
だからこそ腑に落ちない。
高杉は馬鹿な男ではない。
ならば何故今更俺に付きまとうのか。
考えてみれば、こいつはあの祭騒動以来特に頻繁に自分の元に現れるようになった。
それにしても全く何故今になってこんなに高杉について悩まなければならないのか。
内心そんな事を思いながら銀時は高杉の言葉を待った。
「ふっ…流石の白夜叉サマも他人の考えまでは読めねえか」
「ったりめーだろ」
高杉は妖艶な笑みを浮かべた。
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