□ほんの小さなプライドと
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嬉しいけど、ちょっと屈辱。



「…どうしたんですか?ディーノさん」
「え?何が!?」

顔に出ていたらしい。
久し振りに逢えたというのに、始終しかめっ面なディーノを不審に思ったツナはクエスチョンマークを浮かべつつ尋ねた。

ディーノは自分がしかめっ面をしていた事に気付いていなかった様で、慌てて取り繕う様に笑顔でツナに答えた。

「何でもないぜ、ツナ。悪ィな」

しかしとてもじゃないが何でもない様には見えないツナは、やはり疑いの目をディーノに向ける。

「…ディーノさん?悩みがあるならハッキリ言って下さいよ」
「本当に何でも…」
「超直感が気のせいじゃないと言ってるんです」
「…」

超直感を持ち出されたら降参する他ない。
ディーノは軽く溜め息を吐いた後、理由を話し始めた。

「…いやさ、こうやってお前に会えて、やっぱり恋人同士だし嬉しいんだけどよ」

ディーノは僅かに躊躇ったが、それでも心中を思い切って伝えた。

「…やっぱり俺のが年上だしさ、威厳が欲しいっつーか、何つーか…」
「つまり、受けが嫌って事ですか」
「お…おう」

ツナは呆れた様に溜め息を吐いた。
どんな深刻な事かと思いきや。




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