□君が大好き
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「よお、綱!」
「ディーノさん!!」
綱を見かけたので声を掛けると、綱は目を丸くさせた。
「学校終わったとこか?」
「は、はい!!」
いつも思うが何故綱は俺に会う度緊張するのだろう?
まあ、可愛いけどさ。
「あんまそうガチガチすんなよ。誰も取って食いやしねえから」
弟分の綱。
しかし実のところ、俺はコイツに恋愛感情を抱いていたりする。
栗色のふわふわの髪に大きな丸い瞳。
美人、とは言えないが愛嬌のある顔立ちをしている、俺の愛しい想い人。
まあ、リボーンの話じゃ綱には笹川京子ちゃんという好きな女の子がいるらしい。
ダメじゃん、俺。
男って時点で絶望的なのに、その上好きな女の子までいるなんて、失恋決定だろ。
だというのに、俺は綱が照れるような仕草を見せる度に、もしかして…なんて考えてしまう。
有り得ないのに…。
まあ、だからこの恋は諦めてる。
…そういや、綱さっきから喋らねえな。
訊いてみたが、綱は何でも無いとしか答えない。
どう見ても、嘘だろう。
浮かない顔をしている綱を放ってはおけないので、俺は悩みがあるなら相談に乗るぞ、と名乗り出た。
ここでもし恋愛相談なんてされたら間違いなく凹むな、俺。
「悩みなんてないですよ」
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