□心を捕らわれたのは
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そこまで考えて、この感情が「嫉妬」と呼ばれる感情に酷似している事に気付いた白蘭は思わず笑ってしまう。

「…?一体どうしました」
「ふふっ…いや、何て滑稽なんだろうと思っただけさ」
「?」

骸は意味が分からない、と言いたげな顔をした。
それもそうだろう。

「ねえ…骸クン、ちょっとこっち向いて」

白蘭にそう言われ、特に断る理由も無い骸は請われるままにそちらを向いた。
途端、白蘭は骸の口を自身の口で塞ぐ。

所謂、“口付け”。

「…!?…っ、ん…っふ」

その突然の行為に、骸は困惑するばかりだ。
その隙をつき、白蘭は骸の口内に侵入する。

「…っふ…ぅ」

僅かに苦しげな、骸のくぐもった声に白蘭は自分が興奮している事を頭の隅で感じた。

骸をキス攻めから解放してやると、骸の体はガクリとくずおれた。
地面にそのまま叩き付けられる寸前に、白蘭はその体を抱きかかえる。

「あれれ、大丈夫?骸クン」

気を付けなきゃダメだよ?と笑い掛けると、骸は鋭い目で白蘭を睨み付けた。

「一体何を…!」
「何って、キスをさ」

悪びれもなくそういうと一層激しく睨まれた。




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