□檻の中で愛して
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此処まで頑固なのもなかなかに面白い。

「ふふ…、キミはホントに僕を楽しませてくれるね。でも、まあ嫌いじゃないよ…キミのその瞳も」

白蘭は骸の長く繊細な髪を一房手にとると、愛おしげに目を閉じ口付けする。

再び目を開けると白蘭は骸を嘲るかの様な瞳をして、口角を上げた。


「…潰し甲斐がある」


屈しない瞳を絶望の色に染め上げる事は、この上ない興奮を齎してくれる。

それが、骸の様な者なら尚更。



「ま、キミの事は気にいってるからね。壊れない程度にしてあげるよ」



僕って優しいよねー、と笑顔で白蘭に同意を求められ、とてもじゃないが骸は「はい」と返答するような気にはなれなかった。



そうしてやはり、自分は永遠に白蘭という名の檻に閉じ込められるままなのだろうな、と白蘭に犯されながら何処か遠い思考で骸はそんな事を思った。





窓を覗けば空を飛び交う小鳥達が見える。
嗚呼、鳥さえ自由なのか…と嘆くでもなく呆然と呟いたのは。



end

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