空
□騒がしい安らぎ
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「マッサージ付きの温泉チケットだけど?」
「いや、見りゃ分かるけど…」
そういう事じゃなくて。
「何で…」
問いかける前に、山本が質問を汲み取って答えてくれた。
「お前誕生日だろ?」
「…え?」
「まさか忘れてたのか?」
「覚えてたけど…」
どうやらこれは誕生日プレゼントならしい。
「山本、気持ちは嬉しいけど…仕事が」
「それなら心配ねーよ」
「え?」
山本はポケットから折り畳まれた紙を取り出し、それを俺の前で広げた。
見ればそれはスケジュール表で。
「お前が旅行に行ってる間の仕事は俺ら守護者が受け持つ。…このチケットだって守護者全員で相談して決まったんだぜ?プレゼントを渡す役はジャンケンで決めて俺が勝ったからなんだけどな」
獄寺なんか凄く悔しがってたんだぜー、と山本は笑った。
「あ…有難う!でも…任せて大丈夫?」
今は特に忙しい時期だ。
ボスである自分が悠々と旅行を楽しんで、守護者に全て任せてよいのだろうか?
「メンタル面を守護するのだって俺らの役目だろ?楽しんでこいよ」
な!と山本は人懐っこい笑みを浮かべた。
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