三次元短編

□春風
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去年の春。

町中の暴走車に跳ねられて、女性が無くなる事件があったの。

亡くなった人は…

皆川純子

最初後ろで音が聞こえて、振り返ったら…そこには血まみれになって地面に倒れている純ちゃんが居たの。

その時、状況は理解出来なかったけど、無我夢中で人混みをかき分けて私は純ちゃんの元へと向かってった。

純ちゃんは私に気付いて、朦朧とした意識の中、言葉をつむいでくれたの。

「──あ、け…?」

「純ちゃん、しっかりして!!」

純ちゃんの体は致死量に相当するくらいに出血が酷くて、服や体に血が着くのを構わず、私は側に膝をついて純ちゃんを抱き締めた。

「やっぱり、朱だ…。あたしさ、言いたいこと、あって…」

弱々しく声を発する純ちゃんの手を握って私は頷いた。

たぶん…。

いや、もう…

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