黒神book
□海岸と目印
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それくらいは常識か?
海岸と目印
「慶太さん!!海ですよ海。」
「はしゃぎすぎだろ。」
「慶太さんは楽しくないんですか?」
「お前が昨日家で水着なんか着るから……」
「!!あっ、鼻血鼻血。」
急いでティッシュで顔を拭く。
(クロの顔みてかわいいなんて口が割けても言えね……。)
事の始まりはクロだった。
「海水浴行きませんか?」
「おいおいどうしてそうなるのか教えてくれて。」
「これ観てたら行きたくなったんですって。」
いつの間にか後ろにいたあかねさんに一冊の本を渡された。
「……これってファッション雑誌じゃん。何か関係あんの?」
「水着を着てみたいんですって。だからほ〜ら。」
手で目を隠されながら隣の部屋に追い出されてしまう慶太。
扉の奥から声がきこえる。
「入ったら、一生口聞いてあげな〜い。さぁ!!クロちゃん買ってきた水着を試着しましょ。」
「あっ……すいません慶太さん。」
「………………」
仕方ないので寝ることにした。