及川さん家の妹さん
□ふざけんな
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
ある日の夜
私はお風呂上がりにアイスを食べながらテレビを見ていた
最近の芸人さんは芸を笑われてるのじゃなくて、芸人さん自身が笑われてて可哀想だなんて他人事で考えてると不意に玄関のドアが開く音がした。きっとお兄ちゃんだろう
ん？複数の足音がする
「玲奈ちゃーん！ただいまー！！！」
「あれ、はじめ兄じゃん」
「ヨォ、玲奈久しぶりだな」
「私は学校で何回か見かけたことあるけどね」
「あれ？玲奈ちゃん無視？お兄ちゃん悲しい」
「マジか、声かけろよ」
「やーよ、お兄ちゃんとも必然的に出会っちゃうじゃない」
「ねぇ玲奈ちゃん無視しないでよーお兄ちゃんのご帰宅だよ？」
「うるせぇクソ川！！」
怪我人には優しくしてよ岩ちゃん！と言いながらお兄ちゃんはリビングのソファーに落とされた
怪我人？誰が？
そういえば何でお兄ちゃんは担がれていたのだろと思い聞いてみると、どうやらお兄ちゃんは部活中に足を捻挫したらしい
日頃の行いのせいだなんて心の中で悪態をつく
だって本人に言ったら泣きそうだしめんどくさいし
「こんな巨体担ぐの大変だったでしょ？ありがとうはじめ兄、金田一くんも。わざわざありがとね」
「え？何で俺の名前…」
「月曜の選択授業、金田一くんと一緒なの」
「？！そうだったのか…悪い」
「同じ授業あるくせに玲奈ちゃん憶えてないとか金田一サイテー！」
「うるさいクソ兄貴死ね捻挫のところ踏むぞ」
「女の子がクソとか言っちゃいけません！！もー絶対岩ちゃんの影響だ！！！！」
酷いよ玲奈ちゃん！とか何とか言って抱きついてこようとするお兄ちゃんをがんばって阻止する
マジてやめてってば！！！
「な、なんか及川さんの妹って…噂と違いますね」
「噂ァ？どんな噂だよ」
「美人で頭も良くてクールな高嶺の花っていう…」
「？そのまんまじゃねえか」
「いや、その及川さんに対する反応が」
「あー…玲奈はいつも兄貴の前ではこんな感じだ。クソ兄貴がシスコンだからしゃーないんだよ」
なんて会話されていたことを私たち兄妹は知らない
ふざけんな
(恥ずかしいからくっつかないで！)