及川さん家の妹さん
□性格悪すぎ
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「じゃあ私帰るねー玲奈はお兄ちゃんと帰るんでしょ?」
「先に帰ったらうるさそうだしそうするわ、また明日ね」
試合も終わり友達と別れて私は烏野の人たちを探す
どこに行ったんだろう、湿布を渡したいのに
体育館から校門の方へ来てみると黒いジャージの団体…と
「あ、玲奈ちゃん一人で帰るつもりだったの?一緒に帰ろうって言ったじゃん!」
お兄ちゃんだった
「あー!大王様の彼女!!!」
「大王様…誰?私彼氏いないんですけど」
「玲奈ちゃんは俺の可愛い妹だよー!」
「「「「「妹?!?!」」」」」
「及川の妹です。今日の試合凄かったですお疲れ様でした」
及川さんの妹…そうかコイツが噂の!
なんて呟いてる黒髪の男の子はきっとお兄ちゃんが前から話してた”王様のトビオちゃん”なんだろうなぁ
ここで本来の目的を思い出した
そうだ、私は眼鏡の人に湿布を渡そうと思ってたんだ
「あの、そこ黒ブチ眼鏡の人に」
「…ボクに何か用?」
「お兄ちゃんのあんなサーブいっぱい受けてたら痣になっちゃうから、これ使ってください」
「ちょっと!玲奈ちゃん何やってんの!それお兄ちゃんの湿布!!」
「うるさい黙って誰のせいだと思ってんのイケメンに怪我させるとかマジ最悪」
「イケメ…?!確かに顔は整ってるけど玲奈ちゃんのお兄ちゃんの方がイケメンだよ!!」
「ちょ、抱きつかないでってば!お兄ちゃんに用はないの!!」
抱きついてくるお兄ちゃんを手で制し、プライドが高いのかいつまで経っても私から受け取ろうとしない眼鏡くんに痺れを切らした私は、無理やりジャージを捲って赤くなった部分に湿布を貼った
「…何やってんのアンタ、いらないんだけど」
「男のプライドあるのかもしれないですけど…そんなものより身体大切にしてください」
「っ!」
「玲奈ちゃん優しすぎだよ!!お兄ちゃんの敵に塩送ってどーすんの!!男に優しくしちゃダメでしょ!!!」
「帰ってからちゃんと冷やしてくださいね、それじゃあ皆さんお気をつけて」
ぎゃんぎゃん言ってるお兄ちゃんを無視して烏野の人たちに挨拶をし、体育館の方へ戻る
後ろでお兄ちゃんが烏野の皆に何かを言っていたのは風の音で聞こえなかった
「俺の玲奈ちゃんに、手ェ出さないでね?」
ニッコリと微笑んだその顔は悪魔みたいに真っ黒だった
「玲奈ちゃーん待ってよー!」
「私早く帰りたいんだけど。てかあの人の腕真っ赤だったんだけどまじサイテーなんで一人を狙うの」
「えーだってレシーブ苦手っぽかったし点取れるなーって思って」
性格悪過ぎ
(顔より性格良くしてよ)