我愛尓《うぉーあいにー》
□美人薄命
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私のお見合い騒動から数日後のある日の朝、江戸も平和だったので少し散歩をして屯所に帰ってくると
「あら、凛ちゃん…凛ちゃんじゃない?」
突然その人は柔らかな風を連れて表れた
『お、お姉ちゃん…っ?』
「うふふ、相変わらず元気そうね」
『もちろんだよ!お姉ちゃんこそ元気にしてた?』
あまりにも久し振りの再開に思わず
お姉ちゃんに抱き付くと、お姉ちゃんも優しく抱き返してくれる
あ、昔と変わらない優しい匂いだ
「全くもぉ、凛ちゃんは昔から甘えん坊さんなんだから」
そういって柔らかく笑うお姉ちゃんの顔は総悟にそっくりだった
沖田ミツバ、総悟の実の姉である
小さな頃から私のことを実の妹のように扱ってくれた美人で、とても優しいお姉さん
私たちが江戸に行くときに、
身体が少し弱いからといって武州に残って今まで暮らしていたのだ
『それにしても、どうして江戸に?』
「うふふ、実はね凛ちゃん、私結婚するのよ」
『結、婚…?』
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