我愛尓《うぉーあいにー》
□過去の記憶
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長い長い夢を見た───────
まるで今の自分が過去にタイムスリップしたような…そんな感覚に陥ったその夢は、私の過去の記憶だった
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サンサンと太陽が照りつくす中
髪をなびかせながら砂利道を走る、その少女は幼い頃の凛である
凛が向かったのは一つの道場であった
『────お、に、い、ちゃんっ!』
「おわっ?!」
そういって凛が抱きついたのは髪が長く、後ろで一つに結わいでいる若い頃の土方だ
「凛っ、おまっ、いきなり抱きついてくんなって言っただろーが!!」
そう言いながらもお兄ちゃんはしっかり受けとめてくれる
『えへへ、おはよーお兄ちゃん』
「あぁ」
そっけない態度だけど、私の頭を撫でてくれる手の体温からお兄ちゃんの優しさを感じる
大きな手に思わず目を細める
『……そういえば近藤さんは?』
「総悟の稽古中だ」
『お兄ちゃんは休憩中か、じゃあお話して!』
「話ィ?」
『お兄ちゃんの好きな話でいいよ』
私がそう言うとマヨネーズの素晴らしさについて延々と語られてしまった
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