我愛尓《うぉーあいにー》
□お姫様失踪事件
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歌舞伎町にある一軒のスナック、《お登勢》の二階にある何でも屋さん《万事屋銀ちゃん》
今日からそこにお世話になろうと思います
『──────たのもーっ!!!』
私が大声で叫ぶとどうやら新八くんはまだ来ていないようで、中からは眠たそうな顔をした坂田さんと神楽ちゃんの二人が出てきた
「え…、凛ちゃん?」
「凛どうしたネ、まだ4時半アルよ」
『───今日からしばらくの間ここに住みませて下さい』
「あー、それならこちらへどーぞ
…ってええぇえぇえっ?!」
私がそういうと坂田さんと神楽ちゃんは驚きを隠せなく、その場で叫んでしまった
二人とも朝から近所迷惑です
──────────
───────
一方その頃の真選組はというと
「トシィィィィィ!!」
「朝っぱらから騒々しいな、近藤さんよォ」
「大変だァァァァ!朝起きたらこれが部屋の前に置いてあったんだ!!」
屯所の中を騒がしく走る近藤は、ノックもせず部屋に入るなり、左手に握っていた一枚の手紙を土方に渡した
土方は書いていた書類から目を離し、手紙を受けとる
そこには綺麗な整った字で
「“もう屯所には帰りません。探しても無駄です。”……何だ?凛の字か?」
「凛ちゃんが家出しちゃったよォォォォ!!!」
「家出ェ?どういうことだ」
「判らない……でもあんなに素直な凛ちゃんが家出だなんて…」
近藤がせわしなく部屋を行ったり来たり繰り返しているのをよそに、土方は煙草に火をつける
「江戸は狭いんだ、捜索隊でも駆り出せば一発だろ」
「トシ、手紙を最後までよく見るんだ!」
ふと手紙の一番最後に目を通す
“もし私のこと探したと判った時点で私は攘夷浪士になります。”
「攘夷ィ?アイツは何を考えてるんだ」
「凛ちゃんが反抗期ィィィィ!!勲…勲はどうすれば良いのォォォォ!?」
土方は煙草の火を空に向かって吐いた
・・・
「アイツなら何か知ってそうだな…」
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