シリーズもの

□もし月島蛍がお兄ちゃんだったら
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ある日の放課後、いつものように部活をしていると体育館の外が騒がしかった



「なんだか騒がしいなー」
「田中ァ!ちょっと外見てこい」
「ウッス!」



大地さんとスガさんが外の異変に気づき、田中先輩が現場へ向かうと田中さんはマッハの速さで帰ってきた



「ど、どうした田中」
「スガさん…俺は、今、天使を見たかもしれないッス」
「「「「「「ハァ?」」」」」」



田中さんの発言に皆唖然とする
頭のネジ大丈夫か、あの人
そんなことを思ってると、スガさんが大地さんと一緒に入り口へと歩いていったからボクらもそれに付いて行く


ガラッ



「ちょ、ホント…い、急いでるんで!」
「その制服この先にある女子高の制服だよね?」
「カラオケ行かない?」



「…胡桃?」
「あ、蛍!!」



そこにはたくさんの男に囲まれて困った顔をしていた胡桃がいた



「蛍〜」



ボクが胡桃の名前を呼ぶと、胡桃は男の間をすり抜けてボクに抱きついてくるので抱きしめ返して頭を撫でてやると胡桃は安心した顔をした、相変わらず可愛い

日向と王様はポカーンとしてるし田中さんが”天使が月島の手に…!”とか言っちゃってるし何その顔オモシロ



「何してんのこんな所で」
「あ、あのね…」
「いや胡桃じゃなくてそこの人たちが何してんのって聞いてんの」
「け、蛍?」
「ボクの胡桃にその汚い手で触らないでくれる?この子は君達みたいなのが触っていい相手じゃないから」



そう言って188の高さから胡桃に話しかけていた男共を威圧をかけて見下すとその場から去っていった
そして視線を今ボクの腕の中にいる胡桃に落とす。今度は優しい表情で



「変な男に引っかかったらダメでしょ、胡桃」
「…ごめんなさい、ただお家に鍵を忘れちゃったから蛍のを借りようと思って来ただけなんだけど」

「「「「「「お家?!?!」」」」」」



その場にいたバレー部一同が声を揃えて驚いた



「月島テメェ!天使ちゃんと同棲してんのか!!年下のくせに!!」
「ツッキー!オレ彼女いるなんて聞いてないよー!!!」
「ど、同棲っていったら確かに同棲だけど…」
「田中さんも山口も煩いし胡桃も真剣に答えなくて良いから、ハァ胡桃、自己紹介して」
「え、あ、蛍の双子の妹の胡桃です」
「「「「「「双子?!?!」」」」」」


似てない!という声が次々に聞こえ、体育館にこだました



「二卵生だから似てないんですよ〜蛍がいつもお世話になってます」
「ホントに月島の妹?!全然似てねェぞ?!特に性格!!」
「…コイツは性格良さそうだな」
「チビも王様もちょっと黙って」



これ以上胡桃をここにいさせるのは悪影響を及ぼすと思い、ボクはカバンから鍵を取り出し胡桃に渡した


「気をつけて帰るんだよ」
「うん!蛍も部活頑張ってね」
「…ん、了解」




そう言って胡桃の前髪に触れるだけのキスをすると、少し顔を赤くしながらも胡桃は笑顔で帰っていった



かっこよくて優しい
(大好きなお兄ちゃん)

妹には凄い優しい蛍くん

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