CLANND×Fate
□特訓
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「…ん、朝…か?」
窓から入る日差しによって目が覚める
昨日、いや今日の夜中やっていた鍛練中に力尽きて寝てしまったらしい、その証拠に魔力が半分ほどに減っていて魔術回路も軋んでいる
「痛たた…無理が過ぎたか?」
更に自分の服についた少量の血を見て苦笑する、この程度で弱いとはいえ崩壊が起きるなんてな
「ま…気を取り直して智代の見舞いにでも行きますか」
だがそんな気分を振り払い、明るく呟く
そしてドアに手をかけた瞬間…
「おわぁっ!?」
「…様子を見に来たけど寝坊したあげくいきなり私に抱きつくようなら平気そうね…?」
「いや…あの、遠坂サン?コレは偶然と言いますか不可抗力と言いますか──!?」
「…………」
いきなり開いたドアにバランスを崩し、凛に抱きついた状態で必死に弁解するが笑顔のまま無言のあかいあくま
ヤバイよー、ただ俺はこの部屋から出ようとしただけなのに死亡フラグしか感じないヨ?
…だが不幸は終わらない
「…何をしているんだお前達は…?」
キョトンとした顔で出てくる智代…そして、すぐに踵を返して去ろうとする
「いや…その、あーッ!?憐れみの目で見ながら扉を閉めないでー!それは閉まった瞬間俺の命が終わるって言いますかなんと言いますか──!?」
「…フフ、そうか…そうだな、悠は凛の事が好きだったのか…邪魔したな…」
「だから話を聞いてー!?」
智代を引き留めようとギャンギャンと言い争い(というか勘違いした智代を頑張って止める俺の叫び)を続けるが…
「フフフ…ああ、やはり私は暴力女としか──」
「だ、か、ら、話を聞いてくれー!?」
失念していた、目の前のあかいあくまはそんな下らない話を最後まで聞くほど気が長くないと──
「とりあえずねぇ…」
「ん?」
低く呟く凛を見る、そして気がつく…未だ凛を抱き締めたままだという事に
「あ…ちょっ…すぐ離れますから鉄拳はぁあ!?」
「遅いわよ…こんの変態がぁああ!」
瞬間、意識が霞む…ああ、なんだって起きて扉開けるだけでこんな事に──