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□幸せな刻(ダテサナ/ラブラブ/政宗視点ver)
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〜幸せな刻〜
『なぁ、初陣の時のことって覚えてるか?』
久々に会う真田幸村に俺は尋ねる。
『もちろん覚えているでござるよ。おやかた様の凛々しいお姿は、いつでも某の目に焼き付いているでござるよ』
あぁ、やっぱり虎のおっさんの話になったか……。
話をふったのは俺なのに、久々の逢瀬で他の男のことを嬉しそうに目を輝かせながら話すアイツに少しイラつく。
『……政宗殿?具合でも悪いのでござるか?』
俯いていた俺の顔を見ようと、屈んで下から覗き込むアイツ。
おいっ、カワイイ顔して覗いてくんなよ。
kissしたくなるじゃねーか。
そんな俺の心の葛藤も知らず、アイツは俺のおでこと自分のおでこをくっつけてくる。
『よかった。熱はないようでござるな』
ホッとしたように微笑まれて、更に俺の胸の鼓動は早くなる。
ったく、これでやってる本人は自覚がないんだから困ったもんだぜ。