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□幸せな刻(ダテサナ/ラブラブ/幸村視点ver)
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『熱ならあるぜ』
『まことでござるか、政宗殿。風邪を甘くみては大変なことになるでござる。
某、今日はもうおいとまするのでゆっくり休んでくだされ』
……本当はまだ一緒にいたい。
でも政宗殿は奥州を束ねる身。
某のせいで風邪が悪化してしまっては申し訳ないでござる。
何とか覚悟を決めて、部屋を出ようと立ち上がり、扉に手をかける。
『行くな、戻ってこい』
お願いだから引き止めないで下され。
某は政宗殿のことに関しては意志が弱いのでござる。
『でも政宗殿、風邪が……』
政宗殿を思えば退出した方がいいに決まっている。
なのに“行くな”と言われて嬉しい自分がいる。
某は一体どうしたら……。
『さっきのは嘘だ。俺が風邪なんかひくわけないだろ?』
そうでござるか。政宗殿が風邪をひくわけな……!?
『なっ、ウソだったのでござるか!?某は本気で『悪かった』
言葉の最中に政宗殿から謝罪がはいる。