書庫

□幸せな刻(ダテサナ/ラブラブ/幸村視点ver)
2ページ/6ページ

『熱ならあるぜ』

『まことでござるか、政宗殿。風邪を甘くみては大変なことになるでござる。
某、今日はもうおいとまするのでゆっくり休んでくだされ』

……本当はまだ一緒にいたい。

でも政宗殿は奥州を束ねる身。
某のせいで風邪が悪化してしまっては申し訳ないでござる。

何とか覚悟を決めて、部屋を出ようと立ち上がり、扉に手をかける。

『行くな、戻ってこい』

お願いだから引き止めないで下され。

某は政宗殿のことに関しては意志が弱いのでござる。

『でも政宗殿、風邪が……』

政宗殿を思えば退出した方がいいに決まっている。

なのに“行くな”と言われて嬉しい自分がいる。

某は一体どうしたら……。

『さっきのは嘘だ。俺が風邪なんかひくわけないだろ?』

そうでござるか。政宗殿が風邪をひくわけな……!?

『なっ、ウソだったのでござるか!?某は本気で『悪かった』

言葉の最中に政宗殿から謝罪がはいる。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ